生前贈与を使った生命保険の相続対策
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生前贈与を使った生命保険の相続対策

先日、生前贈与を使った生命保険による相続対策の記事が掲載されていました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140121-00000001-mai-bus_all

生命保険は一定の非課税枠がありますので、相続税対策として非常に有効です。

また、生前贈与も財産を相続人等に移すことによって相続財産を減らすことができますので、

こちらもメリットが大きいと思います。

しかし、生前贈与を使った生命保険によって相続対策をとることはもちろん相続税対策として有効ですが、

リスクが次のとおりあげられます。

① 途中解約による保険金の元本割れ

② 親の意思能力・支払い能力喪失による生前贈与の中断

記事にあります手法は保険の対象となる被保険者を親、保険契約者を子、保険金受取人を子とします。

この場合、親が保険料を子に生前贈与し、保険料はあくまで子が保険会社に支払うことになります。

親が保険料を一括して生前贈与するなら問題はありません。

しかし、複数回に分けて生前贈与をする場合には、保険料の支払いが残っている段階で、

親が贈与できない状況になると、生命保険の契約を存続できるか注意しなければなりません。

親が贈与できない状況としては、親自身がお金に余裕がなくなったり、

あるいは親が認知症等になり会話ができなくなってしまうことが考えられます。

保険の支払い義務は子にありますので、

保険料の贈与が受けられない場合には、

お子さんが自ら保険料を支払って生命保険を継続させるか、保険を解約することになります。

お子さんが保険料の支払いができるようなら、それも良いかと思いますが、

もし保険を解約する場合には解約返戻金を保険会社より受け取ることになります。

解約返戻金は当然満期ではありませんので、元本割れのリスクがあります。

生前贈与を使った生命保険による相続税対策を考える際には、

保険の内容やお子さんの資産・収入状況も十分考慮して、

必ずお子さんとよく相談して決めて下さい。

 

平成26年1月25日

小野圭太